のぎのブログ〜新時代編〜

〜自己満の先を追い求めて〜 1人でも多くの人に笑ってもらいたい。 そんな偽善な気持ちで今日も書きます

プロフェッショナル〜仕事の流儀〜 プロ営業マン(前編)

朝、10時30分

 

プロ営業マンの朝は遅い。


燃えるゴミを片手に小粋なステップを踏みながらゴミ出しから1日を始めるプロの姿を我々は目撃した。 

 

Q おはようございます 朝、遅いですね?

プロ「ええ。この仕事は情報戦ですから。午前中は可能な限り情報収集に時間をあててるんです」

 

Q  具体的にはどういった?

プロ「そうですね。適当に起きた後、朝ご飯を食べなら社会情勢を確認してますね。今日に限っては・・ですけどスーパーモーニングショーを見てました。特に今日はいつもより多めに情報を入れときたかったので、スッキリまで見てきましたね」

 

そう言ったプロの目元にはクマが出来ている。おそらく昨晩も遅くまで情報収集に精を出していたのだろう。

 

失礼と思いつつも昨晩は遅くまで何をされていたのかを伺う。

 

「ソーシャル仲間と狩に出かけていた」

そう言い放つプロの目にクマはあったが曇りはなかった。

おそらくネット上での情報戦に身を削っていたのだろう。

 

午前11時

車に乗り込んだプロに我々も同行させてもらった。


走りだしてすぐにプロの携帯にメールが。

送り主はGDO・・・外国人だろうか。

 

Q  GDOとは誰ですか?

プロ「え?あぁ得意先の人ですよ」

 

Q  外国人なんですか?

プロ「いえ、日本人です。グレート・ド◯ター・おお◯◯  からです」

 

Q  なぜ英語なんですか?

プロ「やっぱり今の時代グローバル化が進んでるじゃないですか。やっぱり普段からこういう表記に慣れておかないと」

 

これぞ時代の先端を走るプロ意識である。

 

午前11時30分
1軒目の訪問先に到着した。

 

Q  今日はどういった用件で?

プロ「まぁ色々とありますよ。とりあえず丁度手伝ってもらいたいことがあるんですけど」

 

そう言うとプロはトランクから、透明のビニール袋にボールペン1本と製品パンフレット1枚が詰められた袋詰めセットを大量に持ち出した。

 

プロ「じゃあ袋からボールペンとパンフレットを取り出してボールペンだけ集めてもらえますか?」

 

Q  パンフレットはどうすれば?

「あっそれは捨てて下さい」

 

プロは言う。パンフレットを使うのは二流の営業。本当のプロは自分の言葉だけでその良さを伝えると。

 

その実力を垣間見るべく、そのまま先方との面談に同席させてもらった。

 

プロは芸術的な低空姿勢で施設に入り、受付の方に丁寧に名刺を差し出されていた。

 

そしていよいよ先方との貴重な面談。

名前を呼ばれ相手がいる部屋へ。

丁寧に三回ノックし、相手から「どうぞ」の声が聞こえると。いつもよりワントーン高い声で返事をした。

 

プロ「失礼します!」

そう言ってドアを開け、その刹那にまたも芸術的な会釈を決め込んだ。

相手との距離を一気に詰めるプロ。

 

プロ「ご所望の物です」

 

さきほど取り出した大量のボールペンを先方に手渡す。

 

プロ「では今日はこれで!お疲れのところ失礼いたしました!」

 

そう言ってプロは退出した。

一体何が起こったというのだろう。

一瞬にしてその面談は終了したかのように我々には映った。しかしそれは素人が見るとそう見えるだけであり、プロには十分な時間だったのだろうか。

 

後ほどプロに先ほどの面談について伺った。

するとプロはこう言う。

 

プロ「ローマは一日にしてならず」

 

返す言葉が見つからなかった。

丁度ボールペン30本分ぐらい、身軽になったように我々が感じたのは、その言葉のおかげで心が軽くなったからであろう。

 

 

その後、また次の訪問先に移動している最中である。

POP・STARという人物から電話が入る。

 

Q  また得意先からですか?

プロ「いえ上司です」

 

POP・STARというからには相当なイングリッシュな会話がなされるのだろう。

 

プロ「あっもしもし。あーすみません。来週の月曜日なんすけど有給もらっていいですか?はい。ありがとうございまーす」

 

Q  どうかされたんですか?

プロ「身体を休める事も仕事のうちですから」

 

勤勉すぎる今の日本人にはまさに目から鱗の言葉であった。プロは身体のケアも超一流なのだ。

 

その後イオンモールの中に訪問先があると言う事でついて行く事に。

 

駐車場に着いたときプロはこう言う。

プロ「ここはかなりシビアな面談になると思うので今回は車で待機してもらえますか?」

 

いつになく険しい顔のプロがそこにはいた。我々も状況を察し、言う通り車で待機する事に。

 

1時間ほど経過しただろうか。

プロが駐車場へ戻ってきた。

先ほどとは打って変わって長丁場の戦いであったのだろう。

 

また先方からのお土産だろうか。

ドーナッツの詰め合わせを片手にしていた。

 

キラキラと輝く砂糖のような物質が顔に付着しているように見えたが、

それは 一山終えた男は光り輝いて見えるからなのだろう。

 

「製品は売れなかったが、油は売れた」

その言葉にこの男の只ならぬ語彙力を感じた。

 

 

〜次回、後半に続く〜

 

 

 以上、のぎ